59回フォトサーベイ

◎ フォトサーベイの解析結果入力は締め切りました。

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【症例の情報】 30歳代 女性 血液疾患 (材料:骨髄)

第59回フォトサーベイ集計結果

【参加者】
11名
【解析結果】
46,XX,t(15;17)(q24;q21) ・・・ 6名
46,XX,t(15;17)(q22;q12) ・・・ 2名
46,XX,t(15;17)(q22;q21) ・・・ 3名

精度管理委員からのコメント

今回は急性前骨髄球性白血病(APL)と診断された症例です.画像1,2ともにバンドレベルは300程度で,骨髄の染色体検査では日常的に見られるバンドレベルであると思います.参加者の全員が15番と17番の相互転座と回答していました.
APLはFAB分類のうち急性骨髄性白血病(AML)のM3に分類され,AMLの10~15%を占めるといわれています.APLの約90%以上にt(15;17)を認め,その他にt(5;17),t(11;17)なども認められます.
t(15;17)を持つAPLは,15番染色体上のPML遺伝子と17番染色体上のRARA遺伝子が相互転座によりPML/RARA融合遺伝子を形成し,その遺伝子から合成される蛋白が白血球の分化を阻害することで発症します.以前はt(15;17)(q22;q12)またはt(15;17)(q22;q21)として知られていましたが,PML遺伝子の座位が15q24,RARA遺伝子の座位が17q21と判明して以来,t(15;17)(q24;q21)と改訂されました.
PML/RARAを持つAPLには,その融合遺伝子に作用する全トランス型レチノイン酸(ATRA)による治療が有効です.2016年WHO分類では特定の遺伝子異常を持つAMLとして分類され,t(15;17)(q24;q21)以外のPML/RARA融合遺伝子を認めるものを総称して“ APL with PML-RARA ”と記載されています.治療方針決定の一助となる検査として,血液疾患の染色体検査は重要であると考えます.
今回期待した回答は 46,XX,t(15;17)(q24;q21) です.
(文責;鈴木翔太)
1) Atlas of Genetics and Cytogenetics in Oncology and Haematology: t(15;17)(q24;q21) PML/RARA
http://atlasgeneticsoncology.org/Anomalies/t1517ID1035.html
2) 日本臨床検査技師会:染色体遺伝子検査の基礎と臨床応用.2010年
3) Dniel A. Alber,Attilio Orazi, Robert Hasserjian, et al.:The 2016 revision to the World Health Organization classification of myeloid neoplasms and acute leukemia. Blood. 2016 127: 2391-2405.

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