第57回フォトサーベイ

◎ フォトサーベイの解析結果入力は締め切りました。
57th-M157th-M2

【症例の情報】 子宮内胎児死亡例 (材料:絨毛)

フォトサーベイ集計結果

【参加者】

14名(参加施設:8)

【解析結果】
46,XY,der(13;14)(q10;q10),+14 ・・・・ 13名
47,XY,der(13;14)(q10;q10),+14 ・・・・ 1名

精度管理委員からのコメント

今回の解析画像は流産絨毛組織です.参加者全員が+14と13番と14番のロバートソン型転座と回答されていました.ロバートソン型転座は,端部着糸型であるD群染色体(13,14,15番染色体)およびG群染色体(21,22番染色体)のうちの2本で起こる長腕同士の全腕転座で、核型記載には ” der “ または” rob “を使用します.(第54回フォトサーベイのコメント参照)ロバートソン型転座のできかたは,親が均衡型ロバートソン転座保因者でそれが子に伝えられるときと,新しくできるとき(de novo; 新生)とがあります.親のロバートソン型転座は2:1分離によって伝わりますが,均衡型で伝わるときと不均衡型(トリソミー・モノソミー)になって伝わるときとがあります.均衡型ロバートソン転座では染色体数が45,不均衡型転座では46 で,転座に関係する染色体長腕がトリソミー(転座型トリソミー)になります.
均衡型ロバートソン転座の頻度は一般集団1000 人に1人に認められ,der(13;14)が全体の3/4で最も多く,次いでder(14;21) ,der(21;21) が多く,その他は稀です.der(13;14)は不分離によりトリソミー14 ができると,妊娠早期・中期に流産することが多く,また転座型トリソミー13 も出生にいたることは稀と言われています.

今回のフォトサーベイは不均衡型転座で14番染色体の長腕トリソミーとなっています.
期待した回答は,46,XY,der(13;14)(q10;q10),+14です.
(文責:高原里枝)

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