第54回フォトサーベイ

◎ フォトサーベイの解析結果入力は締め切りました。

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【症例の情報】 42歳 男性 先天性疾患 (材料:末梢血)

フォトサーベイ集計結果

【参加者】
17名(12施設)

【解析結果】
45,XY,der(13;21)(q10;q10) ・・・・・・ 17名

精度管理委員からのコメント

今回の解析画像は画像1,2ともに200程度のバンドレベルと思われます.
参加者全員が13番と21番のロバートソン型転座と回答されていました.末梢血ではやや低めのバンドレベルでしたが,重なりはなく解析可能な画像であったかと思います.
ロバートソン型転座は,端部着糸型であるD群染色体(13,14,15番染色体)およびG群染色体(21,22番染色体)のうちの2本で起こる長腕同士の全腕転座です.その際に短腕は失われ,染色体数は1本少なくなります.D群,G群の短腕(サテライト領域)は失われても表現型には影響がなく,均衡型転座に分類されますが,細胞遺伝学的には不均衡であるため,核型記載には派生染色体の ” der “ を使用します.
記載法にはロバートソン型転座のみを示す ” rob “ という記載もありますが,一般的に ” der “ が広く使用されています.参加者全員の回答で ” der “ が使用されていたことからもそれが伺えました.しかし, ” rob “ を使用した方が構造を理解しやすく,どちらも正しい記載法として使用されています.
詳述式では,短腕末端から順に構成を記載します.ロバートソン型転座においては,若い番号の染色体を正位置に置くため,遅い番号の染色体が短腕側となります.本症例では21番染色体が短腕側,13番染色体が長腕側となり,45,XY,der(13;21)(21qter→21q10::13q10→13qter)と記載します.
ロバートソン型転座保因者の第1減数分裂では,転座染色体と対応する2本の正常染色体により三価染色体を形成し,3パターンの2:1分離をして6種類の配偶子を生じます.3パターンの分離のうち2パターンは不均衡型となるため,モノソミー,トリソミーの胚の発生が高率となります.(図1)
保因者本人の表現型は正常であっても,トリソミー児の出生の可能性や不妊の原因となることを十分に理解しておくことが大切であると考えます.
今回期待した回答は,45,XY,der(13;21)(q10;q10) または 45,XY,rob(13;21)(q10;q10) です.
(文責:鈴木翔太)
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図1:rob(14;21) 転座保因者の第一減数分裂での分離とその結果生じる接合子

1) 宮西節子,曽根美智子,上野一郎:染色体遺伝子検査の基礎と臨床応用.日本臨床衛生検査技師会,東京,2010.
2) 染色体異常を見つけたら : http://www.cytogen.jp/index/index.html

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