第52回フォトサーベイ

◎フォトサーベイの解析結果入力は締め切りました。


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【症例の情報】 55歳 女性 血液疾患 (材料:骨髄)

第52回フォトサーベイ集計結果

【参加者】
17名(参加施設:12)

【解析結果】
46,XX,t(1;19)(p10;q10) ..............11名
46,XX,t(1;19)(p10;p10) ...............1名
46,XX,t(1;19)(q11;p11) ...............1名
46,XX,t(1;19)(q11;q11) ...............1名
46,XX,t(1;19)(p13;p13.1) .............1名
46,XX,t(1;19)(q23;p13) ...............1名
t(1;19)(p12;p12) ......................1名

精度管理委員からのコメント

画像1,2ともにバンドレベルは400程度であり,染色体の重なりや接触が一部分認められるものの,染色ムラもなく比較的解析しやすいmetaphaseと思われます.
今回の回答では,t(1;19)すなわち「1番と19番の相互転座」という点は共通していました.全腕転座か否か,長腕どうしおよび短腕どうしの転座なのか,それとも長腕と短腕からなる転座なのか,といった点で見解が分かれたようです.並べてみると,正常の1番と19番は1本ずつしかないことから,異常な2本の染色体は1番と19番由来ではないかと考えます.さらに,これら2本の染色体の長さがほぼ等しいことや,各々の腕比に差があること,また,2本のうち一方では1番短腕のp21やp31,他方では1番長腕の近接したq22とq24,またq31などの特徴的なdark bandが認められることから,1番と19番の相互転座ではないかと考えます.1番短腕を含む異常染色体と正常の1番を並べて1番短腕末端(1pter)から順にバンドを比較してみると,ほぼ対応しています.また,微かながらp12を認めることとセントロメアのくびれの位置より,1番短腕全てを含んでいると考えます.次に,1番長腕を含む異常染色体と正常の1番を並べて比較してみると,1番長腕末端(1qter)から1q12を含むヘテロクロマチン領域まで確認できることから,1番長腕全てを含んでいると考えます.400バンドレベルの正常の19番は,短腕中ほどにp13.2,長腕中ほどにq13.2,長腕末端にq13.4のdark bandが確認できるはずですが,実際には,染色体長が短いことや,染色の程度や画像取り込みの際のコントラストによりバンドが鮮明に見えない場合もあります.対して,ヘテロクロマチンを含むp12からq12の領域は,前述の条件によらず濃く鮮明に確認できることが多い領域です.1番短腕と再結合していると思われる19番を観察すると,その末端部がやや濃く見えますが,これはq13.4のdark bandによるものと考えます.また,セントロメア直近にq11とq12から成るdark bandが認められ,q13.2も微かに確認できます.従って,19番長腕全体が再結合しているものと考えます.1番長腕と再結合していると思われる19番については,末端部が“白く抜けて”見え,腕の中ほどにp13.2が確認できます.従って,19番短腕全体が再結合しているものと考えます.以上のことから,異常な2本の染色体は,1番短腕と19番長腕,19番短腕と1番長腕から成る全腕転座と考えます.また,この他に正常の1番と19番がそれぞれ1本ずつあることから,含まれる遺伝子の総量に過不足がない均衡型全腕転座といえます.均衡型全腕転座の核型記載については,ISCN2013に則りセントロメアのバンドをp10(短腕側)ないしq10(長腕側)で表し,切断点は(p10;q10)と表記します.
従って,今回期待した回答は,46,XX,t(1;19)(p10;q10)です.
詳述式では,46,XX,t(1;19)(1pter→1p10::19q10→19qter;19pter→19p10::1q10→1qter)となり,より異常様式がイメージしやすいのではないでしょうか.
今回の症例では,32細胞中3細胞に異常を認めていますが,病態との関連は不明であり,臨床経過も不明です.
(文責 佐藤かおり)

参考文献
1) Lisa G.Shaffer et.al(2013) 『ISCN2013:An International System for Human Cytogenetic Nomenclature(2013)』 S.Karger Publishers,Inc.

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