学会ニュース4:学術集会企画運営の舞台裏

学術集会企画運営の舞台裏

学会ニュースも4号目をむかえました。柿島様は認定師、上野様は保険点数改訂、佐藤様はISO15189 認定の教育について、と硬い話題が続きましたので、今回は私の専門が軟部腫瘍だからではないのですが、少し軟らかい内容で、学術集会について書きます。

実は?学会の開催で一番の難題は「テーマ」でした。多忙な先生方に講演を依頼するためには、できるだけ早く決めなくてはなりません。そこで悶々、七転八倒の果てにひねり出したのが「研究と臨床をつなぐ染色体遺伝子検査」です。これを早速大会長に見せたところ、「臨床と研究をつなぐ」じゃないですか?と指摘されました。単語の順番が入れ替わっただけなのですが、意味することが異なるのに驚きつつ、決定しました。

テーマが決まると次は企画です。本学会は会員数が多くないのですが、検査対象が周産期医療、血液疾患、固形腫瘍、染色体から遺伝子までと幅広く、会員の皆さん全員の興味に沿った内容作りは難しいと思いました。そこで、今回は、周産期医療、血液疾患、そして染色体遺伝子検査に共通する研究と医療倫理、の分野で教育講演を企画することにしました。話は少し変わり、私が腫瘍を扱っているからかもしれませんが、先天異常という言い方があまり好きではなく、今回は周産期医療としました。ちなみに、意味は同じなのですが腫瘍では異常ではなく変異と言うことが多いです。

さて、テーマと企画が決まると、次は講師探しです。私の所属する病理学教室は周産期医療とは関係が薄く、講師の先生方を編集部の曽根様、理事長の奥山様にお願いして紹介していただきました。おかげさまで、末梢血を用いた出生前診断についての貴重なお話を聞くことができました。また、聖マリアの佐藤様には、講師の謝礼や先生方の連絡先について教えていだたきました。本当にありがとうございました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。

さらに今回は、いつも私が不満に思っている?フロアでの歓談の時間が少ないことを解消しようと、休憩時間を長く取り、場所と飲み物を用意しました。この企画は事務局長の上野先生に好評でちょっと報われました。懇親会は、お酒の持込ができ経費の節約になる学食ですることにしました。持込のワインを、元理事長の松野先生が、おいしいと言っておかわりしてくださいましたが、私は車で来ていたので飲めなかったのでたいへん心残りです。

学術集会開催にあたり、柿島様より以前の大会の記録や、多くの備品が送られて来ました。広告依頼の書き方、講演依頼の文章などとても参考になりました。今回は、講師の先生やお手伝いの方に払う謝礼の源泉徴収について、税務署でいろいろお話を聞くことができましたので、記録を残して32 回に引き継ぎます。開催施設によって事情は違いますが、共通することも多くノウハウを引き継いでいくことは大切だと思います。

たまたま学会をサポートする会社の営業の方からお話を聞く機会があり、「記録を残し、引き継いでいくようにしている」と話すと、とても感心されました。

そういえば去年の今頃、突然パソコンが壊れました。前兆はなく、朝電源を入れると立ち上りませんでした。メールのみバックアップを取っていなく講師の先生とのやり取りや、抄録受付、その他もろもろが引き出せなくなり真っ青になりました。ほぼ同時期に、ホームページ委員の高橋様より「パソコンが崩壊してしまい、アドレス等も失い、新しいパソコンを入手するまで外部と連絡が出来ませんでした」とメールがありました。パソコンの崩壊!すごいけどよく分かります。ちなみに私が崩壊したのは、学会準備ですが・・・・。皆さんパソコンのバックアップはまめに取りましょう。

最後に、どうにかこうにか無事、学会、総会を終えることができました。これも幹事の皆様、講師の先生方、一般演題を出してくださった皆様、座長を引き受けてくださった方々、そして参加してくださった会員の皆様のご協力があってのことです。特に編集部の曽根先生には抄録集で、とてもとてもお世話になりました。本当にありがとうございました。

一生のうちそんなに経験することがない全国学会運営という仕事、当然大変ですが、通常の仕事では得られない貴重な体験ができます。まだ開催したことのない施設は、一度、主催することを強くお勧めします。

詳細はこちら 矢印 学会ニュース

日本染色体遺伝子検査学会 監事
第31 回日本染色体遺伝子検査学会総会・学術集会 実行委員
福岡大学医学部第一病理 石黒晶子

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