第56回フォトサーベイ

◎フォトサーベイの解析結果入力は締め切りました。

56thMeta0156thMeta02

【症例の情報】 68歳 男性  材料:リンパ節

フォトサーベイ集計結果

【参加者】
13名
【解析結果】
47,XY,+X,t(14;19)(q32;q13) .................7名
47,XY,+X,t(14;19)(q32;q13.1) ...............2名
47,XY,+X,t(14;19)(q32;q13.3) ...............2名
47, XXY, +X, t(13;19)(q32;q13) ..............1名
47,XY,+X,t(8;14)(q24;q32) ..................1名

精度管理委員からのコメント

全身のリンパ節腫大を認め,悪性リンパ腫が疑われた症例です.
画像1,2ともにバンドレベルは300~400程度です.画像1では染色体どうしの接触や重なりがあり,この2画像での解析はやや難しかったかもしれませんが,日常の解析では,よく遭遇するレベルのmetaphaseではないでしょうか.
並べてみると,14番長腕端部が長く,また19番長腕が短いことがわかります.14番については,14q31のdark bandが確認できることから切断点は14q32と推察できます.しかし19番については,q13.2のdark bandの有無を確認するのはこの2つの画像からは困難であり,長腕中ほどに切断点があると推察するのが限界と思われます.実際の報告核型でも,19番の切断点についてはq13としています.
t(14;19)(q32;q13)は,CEBPA遺伝子(19q13.1に座位)が関与するB細胞性急性リンパ性白血病や,BCL3遺伝子(19q13.32に座位)が関与する成熟B細胞腫瘍での報告例があります.IGHおよびBCL3遺伝子領域における切断はFISH法により検出できることから,鑑別に有用です.
今回期待される回答は,47,XY,+X,t(14;19)(q32;q13)です.
(文責 佐藤かおり)

参考文献
1) Atlas of Genetics and Cytogenetics in Oncology and Haematology
:http://atlasgeneticsoncology.org/

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