日本染色体遺伝子検査学会理事長に就任して
2012年10月から日本染色体遺伝子検査学会の理事長を務めることになりました国立成育医療研究センター臨床検査部長の奥山虎之です。就任にあたりまして一言ご挨拶申し上げます.
日本染色体遺伝子検査学会は,1983年に染色体検査研究会として発足し,1984年から日本染色体検査学会,そして1995年に現在の日本染色体遺伝子検査学会と改称し,現在に至っております.
私は、この学会の発足した1983年に慶應義塾大学医学部を卒業し、同大学病院小児科研修医として医師としての第1歩を踏み出しました。専門は、先天代謝異常症です。博士論文作成の際には、本学会の発展にもご尽力いただいております慶応義塾大学医学部分子生物学教室の前教授清水信義先生にご指導いただきました。当時は、PCRの機器が慶応大学にはじめて導入されたころでした。慶応大学小児科学教室からの博士論文としては、PCRの技術を利用した初めての論文となりました。
私は、小児科医として先天代謝異常症などの希少遺伝性疾患の専門医として、遺伝子診断、遺伝カウンセリング、出生前診断など、遺伝子に関連する業務を国立成育医療研究センターで行っています。
過日は、日本医学会「遺伝学的検査・診断ガイドライン」の作成にも参加しましたし、妊婦の血液による非侵襲的出生前診断(NIPT)の検討委員会にも日本小児科学会の代表として加わりました。また、日本小児科学会の遺伝学的検査検討ワーキンググループの委員長として、小児科領域における遺伝学的検査の実施ガイドラインの作成に着手しております。
染色体遺伝子検査技術の進歩は著しく、多くの分野で臨床医学において欠くことできない技術となっております。本学会が、さらなる発展を遂げることができますように、微力ながら貢献したいと考えております。何とぞ、よろしくお願い申し上げます。
国立成育医療研究センター臨床検査部長
奥山虎之